suwaowa: 日本の職人

2007-05-21



風邪気味でぼーっとしながら
一個人宛に書き始めたメールの本文。

別になにも
ドイツを批判しているわけでは全くなくて
住んでみたからこそ感じたことと
日本に帰ってから感じた日本のこと。

〜中略〜

俺がその点に
なんでそんなにこだわるのか
自分でもよくわからんのじゃけど
これだけ立派な商品を作る会社が
どうして現場で売る側と買う側のことを
もっと真剣に考えられんのか、不思議でならんのよ。

いや、これはきっと
ドイツに住んだことがすごく影響してるような気がする。

ドイツの質実剛健さは
本当に筋金入りで
何の分野でも
「私はこの分野のマイスターなので
 自分の作るものは間違いなく素晴らしい。
 その良さが解らん人がいるとすれば
 そっちの感じ方に問題があるんだろう。
 ほっとけばいい。」
っていう風にやっている。
(おれがそう感じたっていうだけのこと)

で、おれはそれが最高!って言っているんじゃなくて
日本の職人っていうのは
それとはまた違う価値基準で
仕事しているんじゃなかろうか。
日本に帰って長野に住んでから
すごくそのことを感じる。

つまり日本の職人ってのは
「私はこの道何十年で
 先祖代々受け継いだ同じ品物を同じ方法で作っています。
 大量生産できないために
 作るのに時間もかかり金額も張る。
 その品物に誇りを持っているのはもちろんですが
 すべては使ってくれる方がいらっしゃってこそなのです。」
っていう気持ちで仕事をしとるんじゃないか。

自分よりも
それを使ってくれる人のこと、
そっちのことを何よりも一番に考えられるのが
日本人の素晴らしいところなんじゃなかろうか?

現に
台所で使うラップ1つとってみても
ドイツのものは
ほとんどビニールのような生地。
切るところの器具もテキトーで
どううまくやったところで
切り口がスパッと切れずに伸びる伸びる。
それがどうだ。
日本のNEWクレラップは!
こんな細かい所までよく考えた!
素晴らしい使い心地じゃないですか!
これが世界に誇れる日本の技術であり
根底に流れているのは
それこそ日本の職人気質なんじゃなかろうか。

〜以上、抜粋〜